放射性セシウム染焼却灰処理
東日本大震災の仮設灰処理施設で発生する飛灰の処理
2011年の東日本大震災は東京電力福島第一原子力発電所の放射性セシウム漏洩事故を引き起こしました。その後、周辺の除染は進み、伐採したセシウムが付着した木々等のセシウム汚染物が貯蔵されています。事故の30年後には福島県から最終処分場への廃棄物の移設が計画されており、セシウム汚染物の量を減らす取り組みが必要です。
この問題を解決するため、様々な企業、研究機関が技術開発を行っていますが、ナノブルー取り扱い製品の開発元である国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)でもプルシアンブルーを利用し、焼却から廃棄物管理までの工程に役立つ製品を開発しています。また、産総研、吸着材生産元の(株)フソウは(株)三菱総合研究所と共同で2021年12月から福島県の中間貯蔵施設内で実用化に向けた大規模実証試験を開始しております。
処理後廃棄物の質量を抑え、処理コストを低減
可燃性のセシウム汚染物は、まずセシウムが飛散しない方法で焼却されます。生じた焼却灰を洗浄することにより、セシウムを抽出します。これにより、焼却灰の放射能濃度は下がり、再利用などの可能性が広がります。抽出液中のセシウムはプルシアンブルーを利用した吸着材により濃縮・回収します。例えば灰の1000倍の濃度に濃縮できれば、汚染物の量は1/1000になり、管理がしやすくなります。
本吸着材は他製品に比べ、セシウムの選択性が高く、濃縮率をあげられること、結果として汚染物の量を減らすことができることが特徴です。
※国立研究開発法人産業技術総合研究所による実証試験結果によるものです。
情報元:国立研究開発法人産業技術総合研究所
放射性セシウム吸着材
参考(外部リンク):
AIST:産業技術総合研究所 成果記事「植物系放射性セシウム汚染物の焼却灰を除染する技術を実証」(2013/11/20)
株式会社フソウ:お知らせ「仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした 灰洗浄実証試験を共同実施」(2022/03/28)