下水からのアンモニウム回収
下水中には尿に含まれる尿素などを期限とする窒素分が含まれています。これらはアンモニウム(NH4+)に分解されますが、そのまま放流すると、下流での富栄養化などの環境汚染を引き起こすため、処理が必要です。
また、炭素分も同様に処理が必要ですが、その処理の一つにメタン発酵があります。これは、炭素分をメタンに変換し、燃料として利用する技術です。ただ、その場合もアンモニウムはそのまま液に残ったままなので、他の処理が必要です。
産総研とフソウは、そのアンモニウムを回収するための吸着材を開発し、アンモニウムの回収試験を行いました(参考文献1)。プルシアンブルー型錯体(PBA)は、メタン発酵の結果生じる下水汚泥消化ろ液からでもアンモニウムを選択的に除去できることを示しました。
また、塩化カリウム水溶液で洗浄することにより吸着材を再生し、200回以上繰り返し利用できることを報告しています(参考文献2)
参考(外部リンク):
1.藤本雅之(フソウ)「金属ヘキサシアノ錯体吸着材を用いたメタン発酵におけるアンモニア除去の影響評価」、第54回下水道研究発表会
2.Ammonium removal and recovery from sewage water using column-system packed highly selective ammonium adsorbent, Hisashi Tanaka, et al., Environmental Pollution, 2021, 284, 117495 (June 1,2021) DOI:10.1016/j.envpol.2021.117495